
都市経済学者 森知也
京都大学経済研究所 教授, 専門分野:都市経済学
最終学歴:ペンシルバニア大学, 地域科学Ph.D.
その他の所属:– 経済産業研究所 ファカルティフェロー- 東京大学CSIS・客員教授– 麗澤大学RIPRESS・客員教授
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日本はいま、高齢化を伴う人口減少が最も進んでいる国です。2020年時点で1億2,600万人であった総人口は、いまの調子で子供が減っていくと、100年後には3,000万人から5,000万人程度まで減少すると考えられています。3,000万人とは、江戸時代レベルの人口規模であり、現在の東京都市圏よりも小さいサイズです。5,000万人とは、およそ東京と大阪都市圏を合わせたサイズです。その頃には多くの都市や地域から人が去り、地方の景色はずいぶん変わるでしょう。わたしたちが住む地域は一体どうなってゆくのでしょうか。
このコラムでは、経済理論とデータを駆使して将来の日本の地域の姿を予測し、この未曽有の人口減少をどのようにしてチャンスに変えられるのか考察します。
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コラムは note のマガジン「都市を通して考える日本の未来」でも配信しています。更新のお知らせは X(@tomoyamori_jp) と Bluesky(@tomoyamori.bsky.social) でも流しています。図と計算の根拠はこのサイトに置いています。
2026年10月31日
京都・大阪・兵庫・奈良の大阪圏は、1974年から半世紀続いた転出超過が2023年に消え、2025年は7500人の転入超過です。けれども内訳を見ると、15〜29歳の転出は2010年から2025年に10%増え、減ったのは30〜44歳とその子どもの転出でした。転勤や住み替えで動くことの多い30〜44歳の人口が、団塊ジュニア世代が45歳を超えて4分の1縮んだためで、大阪が人を引きとめる力を取り戻したわけではありません。対東京圏の転出超過は年2万人のまま、西日本を中心に東京圏以外の地域からの転入超過が増えて差し引きがゼロに近づきました。人の出入りでは人口が動かず、死亡が出生を上回る分だけ人口が減っていく限界大都市に、大阪はなりました。
2026年10月3日
リニア中央新幹線の建設費は品川・名古屋間だけで約11兆円に膨らみました。これを返す乗客は何人いるのか。東京・名古屋・大阪のあいだの鉄道需要を両端の都市の人口から延ばすと、答申に有利な前提を全部乗せても需要は開業する2045年が頂点で、2070年代には採算の線を割ります。訪日客も送り出す国の人口減少で穴を埋められません。東海道新幹線はいまの本数なら2100年近くまで持ちます。
2026年10月3日
副首都の候補に挙がる大阪は、江戸期には江戸と並ぶ頂点でした。それを支えたのは、熊野灘・遠州灘という輸送費の壁と、参勤交代がつくったカネの流れです。電信・鉄道・新幹線がその壁を消し、市場が一つになったとき、頂点は一つに収れんしました。変わったのは大阪ではなく、頂点がいくつ、どこに立つかを決める前提、つまり輸送費と集積の経済の釣り合いのほうです。
2026年10月3日